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落書き帳

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2017年 10月 16日

裏切られても裏切られても・・・

 地上波テレビをまともに見なくなったのは21世紀に入る直前、1990年代の末だったけど、「見たい番組」「毎週必ず見る番組」がゼロになったのはおそらく2004,5年頃だったと思います。2000年代半ば頃までは報道番組くらいは見ていたけど、今ではニュース番組でもワイドショー並みに下世話なゴシップ・ネタばっかりだったり、偏向が酷すぎたりで、それすら見なくなりました。今ではスポーツ中継以外で地上波の番組を見ることはまずありません。いや、別になくなっても困らないだろうと。

 そんな中、なぜかテレビ欄にその番組名があると思わず見てしまうものがいくつかあります。春と秋、年に2回だけ未だに続いている「世にも奇妙な物語」、それがその「思わず見てしまう番組」のひとつ。バブルの頃、深夜番組として人気があったらしけど、福岡では当時放送されていなかったので、初見は木曜夜8時からの定期番組としてはじまった1990年になります。バブル期のドラマ=トレンディ・ドラマに馴染めずに「ドラマ離れ」をしていた頃ではあったけど、3話の短編のオムニバスで、「奇妙な話」といっても単純なホラーばかりじゃなく、「日常の何気ない生活の中に生まれる奇妙な出来事」を描いた話が多くて、なかなか斬新で面白いなと思い、以降はずっと視聴してきたものでした。「感動系」「コメディ系」「考えさせられる話」等もあってバラエティに富んでいたし。「当たり=面白い話」「はずれ=面白くない、つまらない話」の落差も激しいので、3話中全話が面白いというケースは稀だったけど、当時は最低で3話中1話「当たり」があればそれで満足でした。

 その後、社会人になった1993年頃からは定期番組ではなくって春、秋、年末年始の年3回の特番になったけど、その頃からさらにグレードアップしてきたと感じていました。どんでん返し、さらにどんでん返しとか、洗脳とかサブリミナルとか終末=この世の終わりとか核戦争後の世界のような心霊話などよりもはるかに「怖い」テーマを扱った話とか・・・。おそらく特番になった1993~1990年代末くらいが全盛期だったと思います。既に社会人になっていたので家にいない日、時間に放映されることが多かったけど、毎回録画予約して楽しみにして見ていたものでした。

 だけど2000年代に入って、段々グレードが落ちてきたと感じました。春と秋の2回だけになったのもそうだけど「どんでん返し、さらにどんでん返し」くらいならいいけど、4回くらいも「どんでん返し」があって訳が分からなくなる話とか、主役の売り出し中のタレントを売り込みたいだけで中身のない話とか・・・。なのであまり過剰に期待しないようにはしてきました。テレビ欄に番組名を見つけても「まだやるのかよ」と思ってしまう、だけど「いや、きっと今回は1話くらいは当たりがあるはず」とかすかな期待を持って録画予約してしまう・・・。2000年代に入ってからはずっとそんな感じでこの番組を見てきました。2000年代前半くらいは「5話のうち1話」くらいの確率で当たりがあったけど、2000年代後半には当たりは1年(春と秋)のうちで1話程度に減り、2010年代に入ってからは「2年に1話」程度に減ってしまいました。それでも思わずテレビ欄に番組名をみつけると思わず録画予約してしまう私。一昨日の土曜日に秋の特別編をやっていたので予約して、休みの今日、全話視聴してみましたが…。いや、今回は全部外れでした。

 1話目の「寺島」という話は、昔からありがちなオーソドックスなホラー。いや、悪くはないし近年放映されていた中ではよい部類だけど、「以前見たような話」なので新鮮味がない。2話目の「フリースタイル母ちゃん」、なんじゃこりゃ。これってドラマですか? おそらく1990年以降放映された全話の中で最低最悪の駄作。いや、ひょっとすると今時の地上波のドラマを見てる連中から見ると「面白い」のかもしれないけど、私には何がいいのか、どこが面白いのか、笑わせたいのか感動させたいのか、何がしたいのか全く分からない世界でした。むしろ中山美穂が「母ちゃん役」というあたりに時代の流れを感じて・・・。3話目の「運命探知機」、「感動もの」と見せかけてどんでん返し、これも昔から「奇妙」によくある話だけど、「落ち」の後、長々と「落ち」についての説明が続くのに違和感。「お疲れ様でした」とか言いながらスタッフが撤収していく、そこで終了で十分。「奇妙」って、昔から「投げっぱなし」「視聴者を突き放す」=「落ちの後、突然終わる=えっ? となって終わる」「あとは見てる人で感じろ、考えろ」なのがパターンだったはずなのに。説明がないと「感じ」て「考える」こともできない人達が多いんだろうか? 4話目「夜の声」はストーリー自体はなかなか練られてていいなと思ったら、原作:手塚治虫とある。まあ、だったら「よくできている」のは当たり前。だけど「社長とホームレスの二重生活」を送る主人公の心理描写がない。「社長業に疲れて嫌気がさしている」描写とか、「ホームレス生活を満喫している」描写とかがない。だから「なぜこの男が二重生活を送っているのか?=何を考えているのか?」が伝わりにくいから感情移入できない。感動させたいのか、切ない気持ちにさせたいのかのどちらかなんだろうけど、どちらでもないから何の余韻も残らない。せっかくいい原作をモチーフにしているのに、描き方を誤ってしまった残念な作品という感じ。主役の2人はよい感じなので別の脚本家、監督でやり直して欲しいと思ってしまいました。

 そんなこんなで今回も見事に「肩透かし」を食ってしまいました。そういえば半年前の春の特別編も確か見たはずなのに全く覚えてない。ということは2017年に見た8本すべてが私には「外れ」だったということ。それでもまた来年の春、テレビ欄に番組名を見つけたら、同じように録画予約して見てしまうことでしょう。きっとまた全部「外れ」なんだろうけど、きっと「当たり」が1話くらいあるんじゃないか、そんな淡い期待を抱きつつ…。



by stakec68 | 2017-10-16 17:35 | テレビ、芸能


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